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アーツアライブは、アートが全ての人々の生活の一部となるように、
アートを通して人々に喜びと生きる活力を与えます。

熱海レインボー

川口大輔 「熱海レインボー」
2006年7月30日~8月5日 熱海伊豆海の郷

作品名:熱海レインボー
製作者川口大輔
実地場所:熱海伊豆海の郷
実地期間:2006/07/30~8/05

■作品説明

絞り染め風和紙の制作

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■プロジェクト後の感想

養護老人ホーム
約50名の入居者の方の大半が地域交流室という場所に朝9:00、朝の会に集まってきます。体操などをして会が終わると机などを準備し制作スタート。参加者は3名~15名ほど。ほとんどが女性でした。ここのお年寄りはとにかく元気で好奇心旺盛、和紙を畳み、絵の具に浸し、広げる、という手順も素早くほとんどの人が理解、初日から出来上がった模様に筆でタッチを入れたり、指や絵の具の蓋を使ってスタンプしたりと各自のアレンジが入ってきて個々のカラーが前面に出てきました。私はもっぱら材料の補給、ちょっとした技術的アドバイスを行っていました。日を重ねるごとに連続して参加してくださった方の作品はみるみる良くなっていき、時間と場があればどんどん作品が生まれてきそうな雰囲気がありました。五日間で約300枚の作品が出来上がり4×6メートルのネットに約120枚をスクリーン状に展示(当初のプラン)、残りは部屋に持ち帰っていただきました。準備、片付けも皆さん自分たちで率先して行い最後はまるで美術サークルのような雰囲気、ここで終えてしまうのはとてももったいないと心残りがありました。その気になれば簡単な大工仕事もできそうな元気さ、ここではとにかくお年寄り自ら作るということを率先して行うべきだと思いました。

デイサービス
お昼御飯を挟んでの2時間程をデイサービスの方々と制作しました。一日の利用者が5人程、介護度は重い方軽い方様々でしたが人数が少なく職員の方にも余裕がありほとんどの利用者の方が制作に参加してくださいました。三日間で出来た作品は30枚程、半分位を台紙に貼りデイサービスの部屋2箇所に展示、残りは持ち帰っていただきました。自分で作った和紙を見て「綺麗っ」と絶叫したのはデイサービス利用者の女性です。

ケアハウス
4階食堂で4、5人の参加者の方々と毎日制作を行いました。毎回スタッフの方に各部屋に呼びかけに行ってもらい参加者を集めてもらいましたが、普段と違う事をすることに最初皆さんのとまどいは大きく、なかなか挑戦してくれませんでしたが中学生のボランティアの協力もありだんだんと和紙を手にしてくださる方が増えてきました。最終日に5階の比較的元気な男性と女性おひとりづつ参加してくれましたのですが、ご自分で作った和紙の出来映えに大変満足されたようでした。4日間の制作でできた作品は50枚ほど、特に熱心だった方5名の作品を額縁風に台紙に貼りお部屋に飾っていただきました。

まとめ
初めてプロジェクトを実施する施設でもあり「こちらにも来てください」という要望には可能な限り答えていきました。結果一日中絞り染め和紙教室を様々な場所で開いていた感じの六日間でした。当初のプランである大きなネットへスクリーンのように展示するアイデアは2階地域交流室に養護ホームの作品として行いました。私としてはもう少し展示の方にウエイトを置きたかったのですが、これだけお年寄りにも、スタッフの方々にも作る事へのエネルギーが溢れている施設というのも珍しいので、あまりプロジェクトとして作品という形に仕上げることよりもっともっとお年寄りが自分の手で作ることにこだわって継続していけるとよいのではと思います。


by artsalive | 2006-08-05 11:56 | アートワークショップ