ACP@東京ステーションギャラリー


時間がたってしまいましたが、1月末に実施した東京ステーションギャラリーでのACPの報告です。

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日時:2016年1月19日(月) 午後2時から3時
場所:東京ステーションギャラリー
   展覧会「 君が叫んだその場所こそがほんとうの世界の真ん中なのだ―パリ リトグラフ工房Idemから 現代アー
        ティスト20名の叫びと嘆き」
参加者: 認知症当事者と その家族 6名
見学者: 5名
対象にした作品: JR「女性達はヒーロー」 、「Face to Faceホーリートリプティック」
         キャロル・ベンザケン「(ロスト)パラダイス・ブルー Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」
         バルテルミー・トグォ 「裸のアマゾン」「土曜の夜の天国」「音なき叫び」

今回、初めて東京ステーションギャラリーにてACPを実施することができました。東京駅に直結した最高のロケーションであり、東京駅の古い駅舎の一部を残したとても素敵な建築空間です。美術館のご厚意で休館日の実施となりました。 

今回の展覧会は全て同じ工房で作成されたリトグラフということなので、まず、これから見る作品が全て版画、それもリトグラフであるということを知って頂くために、工房の様子を撮影した映像を最初に見ていただきました。パリの古い工房で昔のままで今も作品を制作している様子がよくわかります。貴重な映像です。

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最初に見ていただいたJRの作品。私はこの作家に以前より注目していてこの作品の元となった映像作品も良く知っていて、具体的でわかりやすいと思い最初に見る作品としました。参加者の一人がすぐに目がたくさんあることに気が付きました。誰の目なのか、という話になり、厳しい目をしているとの意見。女性、男性色々な意見が出ました。また、貧困地区であるという指摘。日本でないことも。色々なコメントが出尽くしたところで、このプロジェクトがアートによる社会変革を目指しているものであることをお話ししました。 現代のアーティストは世界が抱える課題そのものを題材にし、自分の作品を通して強烈なメッセージを発していることもお話ししました。

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最後に選んだのは、バルテルミー・トグオ作のシリーズ版画です。私自身は彼の大規模インスタレーションを昨年のベネチアビエンナーレで見ていて、とても強く印象に残っています。

  プログラムの常連でありながら、恥ずかしがり屋の女
  性がオレンジ色に魅せられてしまったように、作品をじっと見つめていたのが印象的でした。 ご家族によると普段あまり関心を向けたりするものがないとのことですが、この日は、我を忘れるという表現がぴった入りする位、じっと作品をみつめていることが多かったです






ギャラリー内を移動するときに、今回、一枚だけ展示してあった辰野登恵子さんによる油絵作品。今回のプログラムには入っていなかったものの作品のインパクトが強く自然と皆さんの目が向いたので急遽前に椅子を置き、しばし、見ることにしました。鮮やかで美しい色はそれだけで人の心を捉えます。 様々なシェイドのブルーとオレンジの作品を見て、それぞれ湖、川空、花など色々なものを想像されたようです。 何も言わずただ見とれている方も。 

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初めての現代アートのACP、具象画と異なり一見何が描かれているのかわかりにくい。だからこそ、自由な解釈を促すのかもしれません。作家の意図を伝えることで私たちを取り巻く世界に意識を向けることにもなり、とても刺激に満ちたACPとなりました。 これからも現代アートをACPに積極的に取り入れていきたいと思います。参加された方は皆これまで、現代アートに余り興味を持ってこなかったけれど、今日は面白かった。これからもっと見ていきたいと言ってくださったので良かったです。
現代アートは食べず嫌いのようなものです。ACPが味見の機会になれば嬉しいですね。
 


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# by artsalive | 2016-02-23 14:35 | アート鑑賞ガイド(ACP) | Trackback | Comments(0)

国立新美術館での初めてのACP

1、日時 2016年1月27日
2、場所 国立新美術館
3、イベント すばらしき大原美術館コレクション

六本木の国立新美術館で初めてACPを実施しました。
今回は港区が主催するオレンジカフェの一環として、10名の方が参加されました。
美術館も公共の行事であることに配慮いただき、招待扱いとして頂きました。

参加者、港区の主催者、見学者に加えて、美術館の学芸員の方もサポート頂きました。
絵画は大原美術館所蔵の素晴らしい名画の数々。
名画の中の奥深い世界を参加者と紐解いていきます。
描写や絵の要素からたくさんの発言を頂き、参加者の経験が加わって、対話はどんどん広がって行きます。
その様子に、一般の鑑賞者の方も足を止めて興味深そうに聞いておられました。

名画に夢中となり、あという間の1時間(3枚)では少し物足りなかったでしょうか。
学芸員の方からもプログラムを高く評価頂きました。
素晴らしい美術館での実施、今後とも拡大していきたいと思います。



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# by artsalive | 2016-02-01 22:58 | アート鑑賞ガイド(ACP) | Trackback(1) | Comments(0)

東十条キッズタウンでの創作ワークショップ

実施日時  2015年11月9日
実施場所  東十条キッズタウン
アーチスト  池平撤兵

北区の社会福祉協議会から依頼を頂き、保育園でワークショップを実施しました。
可愛いピンクのスモックを着た園児さんたちが、期待いっぱいの表情で入場です。
今回は、大きな紙に描く課題。
自宅で予め好きな陸の動物や昆虫、海の生物を描いてきてもらいました。
それを好きなところに貼り付けて、周囲に何でも好きなものを描いてもらいます。

好きな子同士が隣に座って相談しながら描く子供たちもいます。
水色の作り方が分からなくて困った顔をしたのに、作り方が分かると、大きな海を描く子供。
筆を洗う水も、最初は大人に頼んで替えてもらっていたけれど、そのうちに自分で覚えて替えます。
紙をまたいで上から描いたり、お隣と共同したり・・

最後は、皆で描いた大きな世界を、楽しそうに、誇らしげに掲げて、感謝して終わりです。
子供たちがどんどん活発に、逞しくなるさまは、自主性を大切にするアートワークショップならではでした。
もっともっと、こんなのできたら良いなぁと、皆が思った時間でした。d0227334_2334860.jpg
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# by artsalive | 2015-11-10 23:14 | アート制作ワークショップ | Trackback | Comments(0)

ACPアートエデュケーター養成講座「入門1日コース」を実施しました

10月10日からACPエデュケーターの第4期育成講座がスタートします。
それに先だって入門コースを実施しました。
エデュケーターに興味を持って頂いた方に対して、アーツアライブの理念、ACPの特徴、エデュケーターの体験、講座の概要などを理解して頂くための半日講座です。
林先生からの講義やACPの体験を通して、理念や特徴をお伝えしました。
さらに、2名のエデュケーターの方を招いてやりがいや工夫の仕方、若年性認知症のご主人を持つ方にACP体験が生活をどう改善したのかなど、より客観的で具体的な内容もお伝えしました。

14人の方がご参加くださいましたが、皆さま高齢化社会になる上で何が必要かを考えたうえで興味を持って頂いたことが分かりました。
先進医療のありかた、アートの社会貢献のありかた、認知症への対応のありかたなどの質問を頂きました。
それらにお答えしながら、活動の先進性、エデュケーターになることの意義、プログラムの効果などについて、双方の理解が深まったと思います。

この会は、今後は定期的に開催します。
ご興味をもたれた方の参加をお待ちしたします。d0227334_22173668.jpg
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# by artsalive | 2015-10-04 21:39 | アート鑑賞ガイド(ACP) | Trackback | Comments(0)

「高齢化社会と博物館」講演旅行

 日時: 2015年6月22日から 26日
場所: 中華民国  タイペイ 台北市立美術館
             台中   台湾国立美術館
             台南   台湾国立文学館

概要: 国立台南芸術大学大学院の博物館学教授 Wanchen Liu 先生の企画、台湾文化省助成で台湾を縦断して、台北、台中、台南の3つの美術館、博物館で3日間にわたって開催された 「博物館職員の為の高齢者向け事業の研修」の基調講演者として台湾を訪問しました。  当初、依頼されたときは、3日間だから 3回の講演をするのだと思っていましたが、午前、午後と1回ずつ 通訳付きで2時間ずつの講演をし、アーツアライブの活動紹介、特に ACPの企画、実施、エデュケーター育成プログラムの内容、その他の課題に至るまで話しました。各地で台湾の認知症協会の方による認知症全般に関する話の他、故宮博物院、台北市立美術館、台南国立歴史博物館それぞれの美術館、博物館における高齢者への取り組みが紹介されました。

 講演後はそのまま新幹線その他で次の場所に移動するというこれまでに体験したなかで最もハードな講演旅行でした。

企画した劉先生は、過去に故宮博物院に勤めた経験がある 台湾におけるミュージアム スタディーズの中心的な人材です。彼女の全国的な人脈によって可能となったものであり、彼女の日頃よりの博物館活動に対する問題意識の高さから生まれた企画だと言えます。 彼女は、昨年の3月にアメリカに高齢者の為のプログラムの研修でNYを訪問し、そこで MoMAの認知症の方々と家族向けの対話型鑑賞プログラムを視察、その後、同プログラムのエデュケーターを台湾に招聘し、講演してもらったとのことです。 アーツアライブが実施しているACPはMoMAのプログラムを元に開発されたものですが、アメリカよりも日本で実施されているプログラムの方が台湾により近いとの判断から 私に研修の基調講演をやってもらいたかったそうです。確かにアメリカと台湾よりも日本と台湾の方がいろいろな面で共通点があり、なるほどと思いました。

私は、アーツアライブではACPを有料プログラムとしてプロフェッショナルなエデュケーターにより実施していることも含め、運営の話もしましたが、台湾でも近年博物館の運営予算は毎年10%も削減されているとのことで、事業費の増加は望めない、今後は有望なビジネスモデルだと高い関心が寄せられました。アメリカでもエデュケーターには報酬が支払われ、それは寄付によって賄われていますが、日本でも台湾でも恒久的なプログラムを実施する寄付はありません。

3日所、それぞれの場所で多くの方が参加して、台湾においても、高齢化が話題になっていること、また博物館の職員の意識も高いことがよくわかりました。 そもそも、日本ではまだこのテーマで一度もシンポジウムが開催されていないのに、文化省の助成で全国規模の研修プログラムが実施されたことはすごいと思いました。何か新しいことを始めよう、出来ることから始めようという勢いを感じました。

また、滞在中に 3回も台湾の全国新聞に掲載されたのにはびっくり。 特に台北市立美術館での講演は、顔写真付き記事で紹介されました。 ここにも 台湾の人々の関心の高さがうかがえます。

講演の前の日に久々に故宮博物院を訪問しましたが、中国人観光客でごった返しており、驚きました。日本で3時間待ちだった 翡翠の白菜の彫刻は並ばないで見ることができましたが、大変な混雑でした。
台湾の街は、どこも 日本統治時代の建物がたくさん残っています。とくに博物館などの建物の多くは日本が建てたものがそのまま使われています。 台南の会場だった文学館は、元は、台南総督府政府の建物だったそうです。 そんなこともあって、外国でありながら、なんとなく、外国だという気がしない台湾でした。

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初日の講演会場だった 台北市立美術館外観。
ここは 5年ほど前に 台北ビエンナーレで訪問して以来。
たまたま、リーミンウェイ展を開催中、昼休みの合間に台湾の歴史を絵画でたどる展覧会を案内していただきました。日本統治時代の日本人の作品も複数あり、日本が統治下で台湾に西洋絵画や彫刻を教えたことがよくわかりました。 日本は台湾で、いわゆる官展も実施していたようでその優秀作品なども展示されていました。 日本人の私にも興味深い展示でした。

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開会の挨拶をする 文化省文化部長 

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シンポジウムの様子
写真クレジット 
2015台灣〈博物館與高齡者共舞〉研習活動執行團隊: 國立臺南藝術大學博物館學與古物維護研究所

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写真クレジット 
2015台灣〈博物館與高齡者共舞〉研習活動執行團隊: 國立臺南藝術大學博物館學與古物維護研究所

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研修会 アジェンダ 午前、午後に私の名前があります。

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掲載新聞記事

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台南の会場だった 台南国立文学館、元台南総督府政府庁
台南の街の中心には、他にも 日本人が建てた台湾最古のデパートなどの建物も現存されています。
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# by artsalive | 2015-07-04 19:26 | Yoko HAYASHI | Trackback | Comments(0)


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